FreeCADでOpenFOAMで使うブーメランを作る

ブーメラン構想

 さて、前回はOpenFOAMをWindows11上で動かせるようにするところまで持ってきました。次はいよいよ実際にブーメランの飛翔を流体シミュレーションでやってみるところに進んでいきます。が、まずは、ブーメランの形状をCADで作成するところを確認しておきます。

 OpenFOAMでは、CADから作った形状データを使ってシミュレーションできる機能があります。どんなフォーマットが対応しているのかすべて把握はしきれていませんが、FreeCADで作成したSTLデータは使えることを確認しています。ここでは、FreeCADを使ってブーメランの形状を作るところを見ていきましょう。

FreeCADとは?

 FreeCADについて詳しく説明されているホームぺージはたくさんあるので、詳しい説明はそちらに譲りますが、ひとことでいえばOSSのCADツールです。CADとひとことでいっても、応用先によってさまざまなものがありますが、実際にプロが使うようなものはおおむね有料で、個人が趣味で使うにはちょっとお高いというものが多いです。その点FreeCADは、無料から使えるので初心者がまず試してみるには良いと思います。

 私自身はCADのプロでもないし、それほどいろいろ試した経験があるわけではないのですが、CADにはざっくりと、

  • 建物や機械などの人工的、幾何学的な設計向き
  • 3Dのアニメやゲームなどのキャラクターデザイン向き

のような用途に分かれ、FreeCADは前者向きのように思います。(違ったらゴメンナサイ)前者は、どちらかといえば長さや角度など、数値的な部分が正確であることが求められるので、キーボードから数値を入力する機会が多いと思います。

まず初めに

 現時点では、FreeCADの最新版は0.21.2のようですが、私が自分のPCにインストールしているのは0.18なので、これをベースに説明していきたいと思います。(多分、最新と大きく操作は違わないと思うのですが。。。)

 あまり複雑な形状だと挫折しそうなので、まずはざっくりした図形で試してみようということで、単純な×型のブーメランを作ってみます。

 まず、FreeCADを起動します。

 まず、ファイル→新規作成とし、新しいモノが作成できる状態にします。

次に、上部のStartと書かれているリストボックスを変更し、Partにします。

左上の黄色い立方体のアイコンを押すと、四角い立体が生成されます。2個欲しいので2回やります。生成された立方体と立方体001がコンボビューに表示されています。

 コンボビューの立体を選択した状態で、その下のプロパティを見ると、プロパティと値の組が表示されており、ここのBoxという項目は展開できるので展開してみると、Length、Width、Heightが表示されています。ここの値を操作するとそれぞれ、この物体のX方向,Y方向,Z方向の幅を設定ができます。ここではLength=300.00mm、Width=15.00mm、Height=5.0mmと設定しましょうか。同様に、立方体001の方はLength=15.00mm、Width=300.0mm、Height=5.0mmと設定します。

 とりあえず、L字型にはなったようなので、立方体、立方体001をそれぞれX方向、Y方向にずらして罰点にします。

 先ほどのように、コンボビューから立方体をクリックし、プロパティからPlacementを展開すると、立方体の起点座標がわかるので、X座標を-142.5mmにします。同様に立方体001のY座標を-142.2mmにします。

 このままだと、単に2つの四角い物体が重なっているだけなので、これを融合してみます。コンボビューから立方体、立方体001が選択された状態で、「画面上部の複数の形状の和集合を作成」をクリックします。

 二つの直方体が合体して、コンボビューにFusionという物体ができています。先ほどの2つの図形を合体した十字架上に見えます。

 ここで、画面上部から、Part→Draftモードに変更します。コンボビューからFusionをクリックした状態で、⇩をクリックすると十字架を構成する平面がすべてバラバラになり、それぞれFace、Face001、Face003…。のように展開されます。

 このFace群がすべて選択された状態で、ファイル→エクスポートとし、ファイル名を例えばboomerang.astなどとすれば、この物体がSTLファイル(アスキー形式)で保存されます。

 boomerang.astをリネームしてboomerang.stlなどとすると、Windows11の元から入っているソフトPrint3Dと関連付けがあることに気づくので、試しに開いてみます。

 確かに十字架上のブーメランが完成しました。

まとめ

 今回は、FreeCADを使ってOpenFOAMで使うためのSTLファイルとして、非常にシンプルな形状(十字架)のブーメランを作成することができました。次回は実際にこれをOpenFOAM上で飛ばすことを考えてみます。テーパーがないから飛ばないかもだけど。。。

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